重量鉄骨新築の不動産投資は高層化がカギ。都内マンションをやりたいよ

重鉄新築は、木造に比べてハードルは高くなりますが、RC(鉄筋コンクリート)造の新築と比べたら、まだやりやすいです。

重鉄造は耐用年数34年なので、RC造(耐用年数47年)より格下に思われがちですが、全くそんなことはありません。

重鉄造新築のメリット

  • RCと重鉄の実際の寿命はほぼ同程度(法定耐用年数が違うだけ)
  • 重鉄で高層マンションも作れる
  • RCより工費が安い

こんなメリットを活かしながら、高層化できる商業エリアで新築できれば、爆益が狙えます。

わたし(ふくふどう)も都内で重量鉄骨の新築やりたいんですよね~

まあ、いろいろ重量鉄骨の新築の情報をまとめるんで、見ていってください。

目次

従量鉄骨物件の特徴とメリット・デメリット

鉄骨造は、骨組みに鉄骨を使用した構造物です。S(steel)造とも表記されます。鉄骨造は鋼材の厚みが4mm以上ある場合には、「重量鉄骨造」といい、4mm未満の場合には「軽量鉄骨造」といいます。

組立て方は、「ラーメン構造」と呼ばれるもので、建物の重量を柱と梁で支える工法です。

柱と梁の接合部が剛接合になっており耐久性に優れることや、建築後の間取り変更などをある程度自由にできることが特徴です。

鉄骨造によく使われるのが、「ALC(軽量気泡コンクリート)」です。ALCは、コンクリートを練り混ぜる際に、発泡剤を注入することでコンクリートの中に小さな気泡を発生させます。

強度は通常のコンクリートより劣りますが、軽量化や断熱性能が高くなります。主に鉄骨造の壁材や床材に使われます。

鉄骨造のメリット・デメリットを下表にまとめます。

メリット デメリット
経済性に優れる(特に軽量鉄骨造の場合) 地震に対する揺れが大きい
間取り変更(リノベーション)し易い 耐火性は落ちる
建築工期が短い 防音性・遮音性は落ちる
品質管理が容易 運搬に制約がある

Δ鉄骨造物件のメリット・デメリット

 

また、重量鉄骨造を軽量鉄骨造と比較した場合の大まかな違いを下表にまとめます。

鉄骨造の種類 鋼材の厚み 工法・構造 主に利用される建物
軽量鉄骨造 4mm未満 プレハブ工法(*1)

ユニット工法(*2)

戸建住宅、低層賃貸マンション
重量鉄骨造 4mm以上 ラーメン構造 オフィスビル、ホテル、高層マンション

Δ重量鉄骨造と軽量鉄骨造の違い

*1 プレハブ工法:建築物の全てもしくは一部の部材を事前に工場生産し、建築現場で組み立てる工法です。
*2 ユニット工法:プレハブ工法の一種です。住宅の一部分(ユニット)を部屋単位で工場生産し、建築現場で組み立てる工法です。

メリット1:経済性に優れる

(軽量鉄骨造の場合はもちろん)重量鉄骨造はRC造と比べて、建築坪単価は低くなります。

建築坪単価だけで比較すれば、

木造 < 軽量鉄骨造 < 重量鉄骨造 < RC造

となります。

メリット2:間取り変更(リノベーション)がし易い

主要構造物である柱と梁の構成であり、壁には耐力を負担させることがほぼありません。

特に重量鉄骨造の場合、壁を取り払うと柱間の間隔が大きいため、2住戸を1住戸にする大幅改装や間取り変更などのリノベーションが可能となります。

軽量鉄骨造の場合も同様ですが、柱間の間隔が重量鉄骨造と比較すると狭いため、間取り変更などのリノベーションに制約がかかります。

メリット3:建築工期が短い

重量鉄骨造・軽量鉄骨造ともに、主要構造物(柱、梁)や一部の部材は工場生産されるため、建築現場の天候に関係なく製造を進めることができます。

その分工期を短くすることができます。

メリット4.品質管理が容易

主要構造部(柱、梁)や一部の部材は、工場生産されるため、品質管理を徹底することが容易になります。

木造だとぶっちゃけ、怪しい職人が変な管理してたらヤバいですよね。

鉄骨の場合はちゃんとしたメーカーが作ってくれるものが多いので、安心感強いです。

メリット5.高層マンションが作れる

実際のこのメリットが最大だと思うのですが、10回くらいまでの高層マンションも鉄骨で作れます。

高層マンションってRCのイメージ強いじゃないですか?

でも、全然、鉄骨造でいけちゃうし、一等地でマンション建てて最大利回り出すには鉄骨がベストの選択肢になることが多いです。

デメリット1:地震に対する揺れが大きい

耐震性に問題はありませんが、鋼材の「粘り」によって地震に耐える構造です。

RCみたいに、重さと頑丈さで耐える構造ではないんですよね。

鉄骨造は、地震が生じても粘りによってしなり変形するため、地震エネルギーを吸収することができます。

ただし、しなり変形することにより、揺れが大きくなります。

デメリット2:耐火性は落ちる

鉄骨造は、摂氏540度で急激に強度がなくなります。

火災が発生し、高温状態にさらされると、倒壊する危険性があります。

様々な建材で、鉄骨部分を耐火被覆する処置が施され、倒壊までに至る時間の長期化を図りますが、限度があります。

デメリット3:防音性・遮音性は落ちる

建物外部からの音が住戸内に入りやすくなり、住戸内の音が外に漏れやすい構造となります。

鋼材そのものが音を伝搬しやすい性質を持っており、上階の音が下階に伝わりクレームが生じやすくなります。

デメリット4:運搬に制約がある

工場生産された鋼材やユニットを建築現場へ搬入する際、重量と寸法の制約により建材を大型トラックに積載します。

建築現場前の道路幅員や建築現場へ至るまでの道路幅員が狭くなると、大型トラックが通行できず、鋼材やユニットの搬入が困難もしくはできない場合もあります。

重量鉄骨新築の建築費

国土交通省が発行する「建築着工統計調査報告」(平成30年度分)において、住宅の鉄骨造坪単価の推移は下表の通りです。

(※1)木造と同様に年々坪単価が上昇しており、2018年時点では76.7万円/坪です。

対象の年 鉄骨造
2011年 65.1万円
2012年 65.8万円
2013年 67.3万円
2014年 69.4万円
2015年 72.3万円
2016年 73.3万円
2017年 75.1万円
2018年 76.7万円

Δ鉄骨造の坪単価の推移(※1)

 

重量鉄骨の減価償却

減価償却は、長期間利用し経年劣化のある資産を取得した場合に、取得金額を耐用年数で割り、必要経費として計上する税務処理です。

資産ごとに法律で定められた「法定耐用年数」があります。

鉄骨造の法定耐用年数と償却率を下表にまとめます。(※2)

減価償却資産 法定耐用年数 定額法償却率
重量鉄骨造

鋼材厚:4mm超

34年 0.030
軽量鉄骨造

鋼材厚:3mm超~4mm以下

27年 0.038
軽量鉄骨造

鋼材厚:3mm以下

19年 0.053

Δ鉄骨造の法定耐用年数と償却率

【事例】
5,000万円の鉄骨造のマンションを建築した場合、年間の減価償却費(概算)を計算します。

重量鉄骨造の場合
減価償却費 = 5,000万円 × 0.030 = 150万円/年

軽量鉄骨造の場合(鋼材厚:3mm~4mm)
減価償却費 = 5,000万円 × 0.038 = 190万円/年

軽量鉄骨造の場合(3mm以下)
減価償却費 = 5,000万円 × 0.053 = 265万円/年

建築価格が同じであれば、軽量鉄骨造の方が年間経費として計上できる減価償却費の大きいことがわかります。

鉄骨造新築の期待できる利回り

「1.木造新築」でも触れましたが、利回りに影響を及ぼすのは、年間家賃と建築価格です。

家賃は大都市中心部であると高く設定でき、地方都市であると安い設定となります。

建築価格も大都市中心部であれば高くなり、地方都市であると安くなります。

さらに構造(木造・鉄骨造・RC造)の違いによっても、家賃設定価格と建築価格に違いが出ます。

鉄骨造の期待できる利回りを、大家仲間との情報交換に基づきあえて記すと下表の通りです。

鉄骨造の種類 大都市中心部 地方都市
重量鉄骨造 6% 9%
軽量鉄骨造 7% 10%

都心で利回り6%で新築出来れば普通に良いけど、ホントは8%で新築出来ればベストですよね。

経った瞬間に30%くらい含み益ある状況でスタートできます。

 

軽量鉄骨造の場合

大都市中心部で表面利回り:7%前後、地方都市で表面利回り:10%前後となります。

軽量鉄骨造の場合、建築価格は木造に近くなりますので、木造と同様の利回りとなります。

重量鉄骨造の場合

大都市中心部で表面利回り:6%前後、地方都市で表面利回り:9%前後となります。

重量鉄骨造の場合、建築価格は木造よりも高くなりますので、利回りは少し落ちます。

必ずしもこの通りにはいきませんが、一つの目安として見ていただけると幸いです。

また表面利回りだけでの検討は、片手落ちとなります。

実際に投資を進める際には、実質利回り・ROI(投資収益率)までの検討が必須となります。

実質利回りは、表面利回りに必要経費と建築時諸経費を加味したものです。

ROIは、実質利回りにローン返済額を加味したものです。損益分岐点はROI=0となります。

【事例】

重量鉄骨造マンションを事例として、表面利回り・実質利回り・ROIを計算してみます。

条件設定は下記の通りです。

構造・規模:重量鉄骨造3階建18戸、延床面積:220坪、間取り:1K・25㎡
建築価格:1億6,000万円、建築時諸経費:1,100万円、総投資額:1億7,100万円
家賃:6.5万円/戸・月、満室賃料:1,404万円/年、必要経費:280万円
自己資金:3,100万円、自己資金率:18%
金融機関融資額:1億4,000万円、金利:3%、融資期間:35年、年間ローン返済額:647万円

表面利回り = 満室賃料 ÷ 建築価格 × 100
= 1,404万円 ÷ 1億6,000万円 × 100 = 8.8%

実質利回り =(満室賃料―必要経費)÷(建築価格+建築時諸経費)× 100
=(1,404万円―280万円)÷(1億6,000万円+1,100万円)× 100 = 6.6%

ROI =(満室賃料―必要経費―ローン返済額)÷(建築価格+建築時諸経費)× 100
=(1,404万円―280万円―647万円)÷(1億6,000万円+1,100万円)×100 = 2.8%

このマンションの投資判断は、自己資金率18%でROIが2.8%なので、投資可能です。

おすすめのエリア、土地の特徴

軽量鉄骨造と重量鉄骨造と分けて説明します。

軽量鉄骨造の場合

木造と同様に、人口が比較的少ない地方都市ですと、入居候補者の母数が小さいため、戸数(2戸~10戸)を少なくして建てるには適しています。

また家賃設定や必要経費をかけられない地域においても適しています。さらに軽量鉄骨造の特徴として、3階建までとなりますので、高さ制限が厳しい住居系の用途地域に適しています。

重量鉄骨造の場合

階数も10階建前後まで建てることができますので、用途地域については、住居系・商業系・工業系(工業専用地域は除く)のいずれにも不動産投資物件を建築することに適します。

ただし、多少遮音性に劣るデメリットがありますので、子供がいるファミリー世帯には適さず、ワンルームに適します。

都心の一等地で単身向けに重量鉄骨でマンション建てるのが、一番儲かりそうですね!

出所
※1 「建築着工統計調査報告」(平成30年度分) 国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/joho04_hh_000830.html

※2 「耐用年数(建物/建物付属設備)」 国税庁
https://www.keisan.nta.go.jp/h30yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/genkashokyakuhi/taiyonensutatemono.html

 

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