新築ワンルームマンション投資はダメな投資手法として有名ですが、その主な理由って業者の利益が大きく乗っているからってことですよね。
で、なんで業者を利益を乗せられるかっていうと、小分けにして売っているから、1部屋あたりの金額が小さくなって、属性のよりサラリーマンなら融資が付けやすくなるっていう理由があります。
例えば、業者はディベロッパー(開発業者)から一棟マンション10室を1億円で買って、一室当たり1,500万円で個人投資家に買わせることで、1室あたり500万円の利益をあげて、トータル5,000万円儲かる、みたいな構造になっているわけです。
儲かりまくって羨ましいですね。
だったら、自分で同じことをやることができるのでしょうか?
中古RCを買って、1部屋1部屋にばらして売る。
上手く販売力が高い不動産業者に依頼すれば、儲かりそうな気もします。
ただ、これはいかにも不動産業者的な行動です。
となると、宅建業法に抵触しないか心配になります。
今回は、「RCマンションを買って、部屋ごとに分けて売却すること」が宅建業法に違反しないか見ていきたいと思います。
どの部分が宅建業法的にヤバい?
そもそも部屋ごとに分けて売ると、なぜ宅建業法に抵触する可能性があるのでしょうか?
それは。宅建業は宅建業者(宅地建物取引業者)しか行ってはいけないからです。
なので、「RCマンションを買って、部屋ごとに分けて売却すること」が宅建業に該当するかどうかを考えれば良いことになります。
宅建業とは
宅建業とは、「宅地・建物」の「取引」を「業(仕事)」として行うことを言います。
だから、ポイントは3つですね。
・「宅地・建物」にあたるかどうか
・「取引」にあたるかどうか
・「業(仕事)」として行うかどうか
この3点が、「RCマンションを買って、部屋ごとに分けて売却すること」にそれぞれどのように関係するか見てみましょう。
「宅地・建物」にあたるかどうか
まずは「RCマンションを買って、部屋ごとに分けて売却すること」の建物である「RCマンション」が「宅地・建物」にあたるかどうか?ですね。
当然「宅地・建物」にあたるって思うのですが、一応「宅地・建物」の定義をちゃんと見ておきましょう。
この場合RCマンションなので「建物」にあたるので、建物とは「屋根と柱(壁)がある工作物を指します。
住宅利用なら当然、建物という扱いになるのですが、住宅だけでなく別荘、倉庫なども建物になります。
そして、マンションの一室も建物扱いになります。
なので、「宅地・建物」には当たることになりますね!
なお、直接関係ないですが、宅地とは、①用途地域内の土地(無指定とかではなく、第一種低層住宅など用途が定められている土地)、②現在土地が立っている土地、③建物を将来立てる予定で取引される土地を指します。
建物が建つ土地っていうのがポイントになっていますね。
だから、RCマンションに付随する土地も「宅地・建物」には当たることになります。
「取引」にあたるかどうか
次に「取引」にあたるかどうかを確認します。
宅建業の対象になる「取引」とは、以下の3パターンを指します。
①自ら当事者となって、売買、交換を行う。
②他人を代理して、売買、交換、賃貸を行う。
③他人間を媒介して、売買、交換、賃貸を行う。
こうしてみると、自分のRCマンションを一室づつ売るので、①の自らが当事者になって行う売買なので、宅建業法上の「取引」に該当することになりますね。
これまで2条件を満たしてしまっています。
最後の条件を満たしてしまえば、宅建業法の規制で、宅建業者しかできない取引行為になってしまいますね。
では、最後の「業」として、って部分を見てみましょう。
「業」として行うかどうか
「業」として、という部分は「仕事として」と言い換えることができます。
その仕事としてやっているかどうか判断するために、
・不特定多数の人を相手方として取引しているかどうか
・反復継続して取引を行っているかどうか
で判断することになっています。
ここだけ、ちょっと微妙ですね。
RCマンションを一室づつ売る、という行為をどのように行うかによって、結論が変わりそうです。
結論
①一室づつ売るが、一斉に特定の業者などに売却する→反復継続でない一回限りの売買であるため、宅建業法に抵触しない
②買いたい、と申し出た不特定多数の人に、ばらばらに売っていく→不特定多数に反復継続して売り続けるため、宅建業法に抵触する。
③不動産業者に、ばらばらに打ってもらう→不動産業者は代理人となるが、代理効果は本人(マンションをばらばらに売ろうとした人)に帰属するため、宅建業法に抵触する。
こんな感じに分類されそうです。
一般的な投資家は②または③の方式で売ろうとすると思うので、宅建業法に抵触するって思っておくのが良いでしょう。
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