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サラリーマンでも、日本政策金融公庫から不動産投資で融資を受けられる?

都市銀行や地方銀行の不動産投資ローンの融資審査を通過できなくても、日本生活金融公庫なら融資審査を通過することができるといった話を聞いたことはありませんでしょうか?

それは半分当たっていて、半分間違っています。

日本政策金融公庫の融資審査を通過できなくても、都市銀行や地方銀行の融資審査を通過する逆のパターンもあるからです。

ポイントは融資審査の基準が異なるからです。

ここでは民間金融機関と国民政策金融公庫の融資対象物件の違いや特徴などについて解説します。

コツを掴めば、サラリーマンでも日本政策金融公庫から不動産賃貸事業に対して融資を受けることができます。

サラリーマンでも日本政策金融公庫から借りられる?

日本政策金融公庫は、企業支援を目的としていることや副業で申請する場合の注意点、事業計画書がポイントとなることを解説します。

日本政策金融公庫は企業支援が目的

日本政策金融公庫はWEBサイトの中で、「地域の身近な金融機関として、小規模事業者や創業企業の皆様への事業資金融資のほか、~」と謳っています。

中小企業や個人事業者・高齢者・女性・若者などの法人や個人を問うことなく、民間金融機関から融資を受けることが困難な人を対象として、積極的に融資します。

特に20代の若者や女性、55歳以上の高齢者に対しては、優遇措置を講じています。

また融資目的に関して厳密になりますが、「不動産投資」目的では融資は受けられず、「不動産賃貸事業」目的に対して融資が受けられますので、注意が必要です。

投資、は禁句なんです。

副業で申請する場合の注意点

日本政策金融公庫の営業時間は、平時の9時~17時までとなります。

サラリーマンをしながら副業で申請する場合、この時間帯に出向いて相談や面談を受けなければなりませんので注意が必要です。

事業計画書がポイント

日本政策金融公庫の場合、事業計画書の作成・提出が他の民間金融機関と異なる点であり、ポイントとなります。

その記入方法について解説します。

創業の動機

政府系の金融機関である日本政策金融公庫は、融資する事業が社会貢献につながるという公益性・公共性に重点を置きます。

したがって融資対象となる不動産賃貸事業におきましても、公益性・公共性をもった事業目的が記入されていますと、重要視されることとなります。

例えば「中古戸建てをリフォームすることにより、賃貸戸建てとして再生させて、空き家対策に貢献する」などです。

増加する空き家の問題や高齢者の入居問題などを解決するなどの公益性・公共性をアピールする記入をすると良くなります。

必要資金・調達方法

必要資金は、不動産会社から提示を受けた見積書に基づいて記入します。

不動産物件の購入価格以外にも、不動産会社に支払う仲介手数料や測量費、登記費用、登録免許税・不動産取得税といった購入時諸経費がかかります。

購入時諸経費は購入価格の約7%前後となります。

総事業費は、物件購入価格と購入時諸経費との和になります。

総事業費 = 物件購入価格 + 購入時諸経費

調達方法は、融資希望額としてフルローン(物件購入価格の100%)を要望するのは良くないです。

自己資金として物件購入価格の約20%前後を準備し、物件購入価格の80%+購入時諸経費を要望すると、融資審査が通過し易くなります。

ここでのポイントは、不動産賃貸事業に関わる費用を全て把握できていることをアピールすることです。

事業の見通し

ここでのポイントは、不動産物件の収支計算書が作成されており、融資返済計画に無理が無いこととなります。

経年による家賃下落を見込んでいるか、空室率を見込んでいるか、経年劣化による修繕費を見込んでいるかなどが点検されます。

それらを加味した上で、キャッシュフロー(手残り額)がある程度残らないと事業として厳しくなりますし、意味を成さないことになります。

事業計画書のポイント

事業計画書は、公的な事業目的や正確性・具体性、返済可能性の3点において説得力のある記載が成されているかが重要となります。

他にも説得力を増す資料があれば、添付して提出すると融資審査を通過する可能性は高まります。

日本政策金融公庫の不動産融資の条件

日本政策金融公庫の不動産融資の条件として、金利や融資期間、融資総額、融資対象エリア、担保評価について解説します。

金利

日本政策金融公庫の金利は、共同担保の有無で違ってきます。

共同担保がある場合は金利が1%前後となり、共同担保が無い場合は金利が2%台の中ごろとなります。

また全て固定金利となり、変動金利の選択はできません。

したがって選択肢が少なくなりますので、属性の良い人にはメリットを感じることはありませんが、属性の良くない人にとってはメリットを感じるケースが多くなります。

 

担保提供の有無 基準金利 特別利率
担保を不要とする融資を希望される方 2.16%~2.55% 0.76%~2.15%
担保を提供する融資を希望される方 1.21%~2.20% 0.30%~1.80%

融資期間

通常は、10年から15年の期間での融資となりますが、条件によっては20年となることもあります。

最近は10年が増えてきています

不動産事業に対する融資期間の短さも特徴の一つです。他の金融機関のように30年から35年といった長期間での融資はできませんので、注意が必要です。

その分毎月の返済額が比較的多くなりますので、利回りの良い不動産物件でないと、キャッシュフロー(手残り額)が出ない可能性もあります。

融資総額

融資総額は、4,800万円が限度となる場合が多くなります。ただし条件が整えば、最大7,200万円まで融資を受けることができます。

融資制度 ご利用いただける方 融資限度額 融資期間

(うち据え置き期間)

一般貸付 事業を営む方(ほとんどの業種の方にご利用いただけます。) ・4,800万円

・特定設備資金:7,200万        円

 

・設備資金:10年以内(2年以内)

・特定設備資金:20年以内(2年以内)

・運転資金:7年以内(1年以内)

企業活力強化基金 卸売業・小売業・飲食サービス業・サービス業または一定の要件を満たす不動産賃貸業を営む方で、店舗の新築・増改築や機械設備の導入を行うなど ・7,200万円

(うち運転資金:4,800万円)

・設備資金:20年以内(2年以内)

・運転資金:7年以内(2年以内)

 

融資対応エリア

融資対応エリアは日本全国に及び、都市銀行の対応エリアよりも広くなります。

民間金融機関から融資を受ける場合、融資申請人の居住地や申請不動産の立地を起点として、融資対応エリアが決められることが多くなります。

立地によっては民間金融機関から融資を受けることができなくても、日本政策金融公庫から融資を受けることができる場合もあります。

融資審査:担保評価

担保評価については、民間金融機関と同様に積算評価と収益評価で行われます。

ただし評価基準は民間金融機関と比較して異なるため、民間金融機関にて融資審査を通過しても日本政策金融公庫では通過しなかったり、その逆の場合もあります。

民間金融機関と日本政策金融公庫の評価基準の大まかな違いを捉えることが、日本政策金融公庫の融資を利用できるか否かを判断するポイントとなります。

日本政策金融公庫に向いている物件の特徴

日本政策金融公庫に向いている物件の特徴として、築年数は重視しないことや収益性を重視すること、価格を重視することが挙げられます。それぞれ解説します。

築年数は重視しない

民間金融機関は、融資審査対象物件の築年数を重視します。

特に都市銀行・信託銀行・地方銀行は、法定耐用年数に対して残期間が短い場合や超過している場合には融資をしません。

日本政策金融公庫は融資期間が短いため、築年数よりも収益性を重視します。

法定耐用年数を超えた場合でも、収益性が良ければ融資を受けられる可能性があります。

ただし、旧耐震の物件には融資してくれません。

公的な金融機関なので、旧耐震の物件は融資不適格って扱いなんでしょうね。

収益性(利回り)を重視

融資期間が短いため、毎月のローン返済額が大きくなる傾向にあり、収益性が悪い物件の場合には収支がマイナスになることもあります。

収益性が良い物件でないと収支がプラスにならないため、利回りに重点を置きます。

特にキャッシュフロー(手残り額)を重視するため、表面利回り、実質利回りの算出に止まるのではなく、ROI(投資収益率)まで算出する必要性があります。

価格を重視

融資限度額は一般的には4,800万円となりますが、最初は融資限度枠をいっぱいに利用するよりも2,000万円~3,000万円前後までの物件にした方が良いです。

ローン返済において滞りなく順調に経緯しているという実績を積んでから、融資限度枠をいっぱいに利用するといった方法が良策といえます。

向いている物件

以上の特徴を考慮すると、日本政策金融公庫の融資し易い物件の特徴としては、新築で利回りの低い物件よりも、築古で利回りの高い物件の方が良くなります。

例えば一例を挙げると、

・築30年前後の区分マンション:2,000万円未満(都心部)
・築30年前後の木造戸建て:1,000万円未満(地方物件)
・築30年前後の木造アパートや軽量鉄骨造アパート:2,000万円~3,000万円(地方物件)

といった物件です。ただし、入居者が見込まれる地域であることは言うまでもありません。

日本政策金融公庫の融資申請の流れ

日本政策金融公庫を利用する場合の流れについて解説します。

ステップ1:相談

先ず物件探しから始めるのも良いですし、日本政策金融公庫の支店窓口もしくは電話にて相談するのも良いです。

相談すると、具体的なアドバイスを受けることができます。

また直近2期分の確定申告書や決算書、源泉徴収票などを持参すると、より詳しい情報を入手することができます。

ステップ2:物件探し

「3-4.向いている物件」でも解説した様に、日本政策金融公庫に向いている物件は「築古・高利回り物件」です。

また価格も2,000万円~3,000万円までの小規模物件が融資を受けやすくなります。

下記に地方にある築古のアパート物件の事例を挙げます。

【事例】

・構造規模:軽量鉄骨造アパート2階建て1K8戸
・購入価格:3,000万円、購入時諸経費:200万円、総投資額:3,200万円
・自己資金:500万円(購入時諸経費+購入価格の10%)、融資金額:2,700万円、
・融資期間:15年、金利:2%
・家賃収入:4万円/月・戸、384万円/年、必要経費:77万円

家賃収入(満室想定) 384万円
必要経費 77万円
ローン返済額(月額) 17.4万円
ローン返済額(年額) 208.5万円
キャッシュフロー(手残り額) 98.5万円
表面利回り 12.8%
実質利回り 9.6%
ROI(投資収益率) 3.1%

 

ROI(投資収益率)が3%以上ある物件ならば収益性は問題ありません。したがって収益性の観点だけから判断しますと、この築古アパートは融資審査を通過する可能性は高くなります。

ステップ3:事業計画書作成

融資申請する不動産物件の賃貸事業に関する事業計画書を作成して提出する必要があります。

これが民間金融機関と異なる点です。

融資審査を通過するためには、事業計画書や添付書類により、賃貸事業がローン返済などを滞りなく進めることができるという説得力をもった資料にする必要があります。

ステップ4:申込

事業計画書が作成できましたら、他の必要書類と併せて日本政策金融公庫の支店窓口へ申込・提出を行います。必要書類は下表の通りです。

借入申込書
見積書(不動産会社提示)
事業計画書(自身が作成):決まったフォーマット有
企業概要書(自身が作成)
確定申告書・決算書(直近2期分):法人
確定申告書・決算書(直近2期分):個人
最近の試算表:法人
履歴事項全部証明書もしくは登記簿謄本:法人
融資対象不動産(土地・建物)の履歴事項全部証明書・構図・地積測量図・建物図面
10 融資対象不動産の固定資産税評価照明
11 融資対象不動産の位置図、敷地図、配置図、平面図、立面図、レントロール表など
12 融資対象不動産の収支計画表
13 融資対象不動産の写真
14 賃貸借契約書(賃借人がいる場合)

Δ主な融資申込必要書類

ステップ5:面談

借入申込書を提出してから約1~2週間の期間中に、担当者から面談の日程調整についての連絡が入ります。

追加提出書類がある場合には通知を受け、面談時に持参します。

面談時には、提出書類に基づいてのヒアリングを受けます。

ステップ6:融資審査

面談終了後、融資審査が始まり、約1か月後に融資審査結果が通知されます。

ステップ7:金銭消費貸借契約書の締結

審査通過後、金銭消費貸借契約書や抵当権設定契約証書などの締結をし、融資手続きは終了となります。

まとめ

日本政策金融公庫のメリットは、低金利・固定金利となりますが、デメリットは融資返済期間が10~15年以内と短いことや融資限度額が4,800万円と少ないことです。

収益性重視という特徴があるため、小規模の高利回り物件を探し出す必要があります。

ですので融資審査の厳しい都市銀行で融資審査を通過する物件でも、日本政策金融公庫の融資審査を通過しない場合が生じます。

利回りの具体的な目安としては、表面利回り:12%以上、実質利回り:9%以上の数値が出る物件となります。その様な物件ですと、事業計画書も記入し易くなり、説得力のある資料作成をすることができます。

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